主人公・コルトを怒涛のトラブルに巻き込む、アーロン・テイラー=ジョンソンが演じる迷惑すぎる自己中ハリウッドスターが癖になる!?
嫌なヤツだけどおバカで小心者なトム・ライダーの魅力に迫ります!
本作でライアン・ゴズリング扮する腕利きのスタントマン・コルトがスタントダブルを担当するのは、アーロン・テイラー=ジョンソンが演じる自己陶酔型のスーパースター、トム・ライダー。テイラー=ジョンソンは自身の演じたトムについて「映画スターは俺だ、俺が一番重要な存在だ、俺よりカッコよく見えるヤツは許さない、特に俺のスタントダブルは論外だ、誰もお前の顔なんか見たくない、お前は俺の後頭部も同然だ、と本気で思っているような男なんだ。撮影現場では主演俳優としてトップに君臨しているうえに、エゴも強いから、常に他人を蹴落とそうとする。根本的にナルシシストな男だよ。スーパースターという自分の虚像を信じ込み、自分をブランドだと思っている。妄想的で、自分のことを三人称で言及するんだ。誰に対しても、何事に対しても決して責任を負おうとしない」とナルシストでエゴの強いキャラクターであることを明かしています。
トム・ライダーは鼻もちならないナルシストっぷりで周囲を振り回す嫌なヤツですが、どこか憎めない小心者でおバカな一面を持っており、その残念すぎる記憶力は、10分間しか記憶を保てない記憶障害を抱える主人公が描かれる傑作『メメント』レベルだと揶揄されるほど。実際にトムの滞在先の部屋には『メメント』よろしく、彼の思いつくままに書かれたポストイットがこれでもかと貼られ、ケータイのパスワードはおろか「ペットのオウムを売ってコアラを買え!」といった心の声までもが記されており、トムを探しに来たコルトがあきれるほどです。テイラー=ジョンソンは、デヴィッド・リーチ監督が描く作品について「どんなにスタントが素晴らしくても、キャラクターやストーリーと関連がなければ意味がない。デヴィッドは単にスタントとアクションに精通しているだけじゃない。彼は本物のストーリーテラーで、決して期待を裏切らないんだ。彼の映画はどれも楽しくて面白いだけじゃなく、心もこもっている。アクションに関しては事前に計画されているけど、自発的な演技ができる余地も十分にあるんだ。直感力のある素晴らしい監督で、撮影の途中でも柔軟に変更を加えられる。おかげでうれしいハプニングや自己発見の機会が生まれた」と、アクションだけではなく、キャラクターやストーリーも魅力的であることを明かしており、テイラー=ジョンソンが演じたトム・ライダーのキャラクターにも期待が高まります。
『マイティ・ソー』(11)からはじまり、マーベル・シネマティック・ユニバースで数々の悪行の限りを尽くすトム・ヒドルストンが演じた裏切り王子のロキや、今年公開された『マッド・マックス:フュリオサ』で端正な顔を持ちヒーロー役としてのイメージが強かったクリス・ヘムズワースが演じたイカれた暴君ディメンタスなど、“イケメン×悪役”は鉄板の組み合わせ!?
時期ジェームズ・ボンドとの呼び声も高く、甘いマスクを持つアーロン・テイラー=ジョンソンが演じる嫌なヤツが、おバカで残念な一面を持っているという点は母性本能をくすぐる魅力の1つにもなるでしょう。彼が演じるどこか憎めないサイコパスな役柄に、是非劇場で酔いしれてください。